台湾ひとり食事旅(後編)

旅行記後編。前回からの続き。

umai-meals.hatenablog.com

3日目

6時頃起きて行動開始。PCで朝からやっている近くの店を調べて徒歩で向かう。

大狗麵線

朝食に宿の近くで麺線。和風っぽいベースのとろみがついたスープに素麺のような柔らかい麺。肉入りにしたのでモツが入っている。箸は?と思ったがレンゲですくって食べるのがデフォルトのよう。優しい味わいが朝食にちょうど良い。

 

老蔡水煎包

昨日と同じだが、あまりに美味しくて今日も食べてしまった。これが気軽に食べられるの羨ましすぎるな。

 

YouBike

レンタサイクル。台北ではいたるところにステーションがあるのでどこへでも自転車で行ける。スマホにアプリをダウンロードしてクレジットカードを登録し、自転車のQRコードを読み取って利用するシステム。30分で10元(50円弱)程度の利用料金なので、かなり気軽に利用することができる。昨日試したらあまりに便利だったので、この日も使い倒すことに。鍵が付いているので駐輪もできる。

昨日ひたすら歩き回った後に乗る自転車、あまりにも早く移動できるので「どこにでも行ける!」の気分になってしまう。小学生の頃やったポケモン(赤)で、自転車を手に入れた時の移動速度に対する感動を思い出すなど。何よりも久しぶりに乗る自転車、早朝の気持ちの良い気候と綺麗な風景で最高の気分。

 

国立中正紀念堂

広大な敷地と巨大な建造物、とてつもないスケール感に非日常を感じる。近くには大きな公園があり、地元の方々も多く賑わっている。

 

国立台湾博物館

そのまま近くのこちらへ。本当は国立故宮博物院に展示されている肉型石(角煮みたいな彫刻)を見に行きたかったのだが、現在は別の場所に貸出中とのこと。代わりと言ってはなんだが、近くにある博物館へ。言語的に理解が及ばない部分は多かったものの、それでも美しい建物の中に並んだ数々の展示物を通し、台湾の歴史の一端に触れることができたように思う。

 

台北当代芸術館

そのまま自転車に乗って美術館へ。小学校の校舎を使ったという趣ある建物と、現代美術の展示というギャップもまた良い。

俺が行った時は特にAIやテクノロジーに主眼が置かれた展示を行なっており、インスタレーション的なものも多かった。

Anna Ridler | Mosaic Virus
Winnie Soon | Unerasable Characters Series

 

鼎泰豐

ほど良い時間になったので昼食。初めて台湾へ行く身としては、ド定番スポットは行っておきたいところ。混雑を覚悟で整理券を受け取りに行くとすぐに日本人と察知してくれ、日本語対応で日本語表記の整理券を発券してくれた。受け取った整理券には待ち時間90〜110分との記載。近くの公園を散歩したり、妻や子への土産物を買いながら時間を待つ。

ようやく店内へ。台湾生ビールと、茄子の醤油煮。醤油ベースながら、オイスターソースや甜麺醤のような甘味とコクもある。しっかりと揚げられた皮の薄い茄子にひき肉、ネギ、おそらく台湾バジル。待ち時間もあって、かなり空腹でのビールと揚げ茄子は泣きそうになるくらい美味しかった。

小籠包はハーフサイズを注文。昨日食べたものよりも、皮が薄く繊細。コラーゲン感のあるこってりスープに、ネギ生姜くらいしか混ざっていないようなシンプルで噛みごたえのある餡。店員が作ってくれた醤油:米酢が1:3のタレにつけて食べると過不足なく調和しているような一体感。これは美味しいな。

主食としてパイクー炒飯を注文。卵、ネギと塩胡椒だけの薄味でシンプルなチャーハンに、巨大な肉。米は硬めに炊かれていて、油でコーティングされてキラキラしている。肉の味もシンプルで過剰な味付けがない。タレで漬け込んだような、かなり柔らかい食感。最高に美味しいのだが、体感2人前くらいある。後半は完全にフードファイト。強靭な胃袋が欲しい。

サイズ感...

値段はサービス料込みで800元(4,000円弱)程度。価格については賛否あると言われがちなな鼎泰豐だが、快適な店内で丁寧なサービス込みでこの価格は観光としてはありなのでは。

 

松山文創園区

かつてタバコ工場だった場所を再利用した施設。カフェやギャラリー、雑貨などの店舗が並ぶ。近くの誠品生活でお土産を買うなど。

動き回ったので疲れ果て、宿で少し仮眠をとる。

 

Mikkeller Taipei

台湾でミッケラー。台湾でデンマークのビールを飲むというのも良いかなと思い。最高に美味しかったし雰囲気も良かったのだが、俺が英語を聞き取れない場面が多く、不甲斐ない気持ちになるなど。精進します。

 

迪化街

俺が行ったのは夜だったからか、多くの店が開いていなかった。カラスミは自分への土産で買いたいよな〜と思っていた(家で蕎麦を打ってカラスミ蕎麦にしたい)ので、こちらの店で小さめのものを購入。台湾におけるカラスミの相場がわかっていないのだが、小さめのものは手頃に買える価格だった。大きいものが美味しいらしいが。

 

寧夏夜市

夜市、人が多いとの前情報を受けてあまり自分には向いていないかもな、なんて思っていたのだがせっかくなので行ってみることに。結果的に人が多過ぎてめっちゃ疲れた。でも、ここで有名な鶏肉飯があるようで、なんとか気力を使い果たして購入。

とにかくシンプルで潔い。鶏肉、砂糖、醤油みたいなシンプルさ。鶏の旨味たっぷりで鶏油のような油の存在感もあり。とにかくビールを飲んでいる人がほとんどいなかったため、コンビニでビールを買って一緒に食す。台湾に来る前に想像で鶏肉飯を作っていたのだが、全然イメージと違う、素朴で衝撃的な美味しさで感動してしまう。

 

度小月台北廸化店

本当は夜市でたくさん食べて帰ろうかと思ったのだが、あまりの人の多さに断念。代わりにこちらに行けそうだ、ということで訪問。担仔麺。見た目とは裏腹に優しい味わい。

イカの揚げ物、こちらはプリプリというよりもブリブリとした、ゴムのようなはね返りのある食感。揚げたてにいきなり食らいつき火傷する。

これを食べて本日は終了。満腹で宿に戻りシャワーを浴びて眠る。

 

4日目

青島豆漿店

有名店のようなので開店を目掛けて自転車で向かう。肉餅30元を注文。メニューを写真で撮り、指差し注文すると「ちょっと待ってね」と日本語で答えてくれてほっこりするなど。並び人数は5人程度だったが、予約もあり15分ほど待つ。

中正紀念堂の公園でゆっくりと食べた。焼きたてで香ばしい餅に、ジューシーな餡。味付けは至ってシンプルで優しい薄味。朝食にちょうど良い。

 

豪季水餃専売店

世話になった宿をチェックアウトし、台湾での最後の食事へ。今回の旅で最も楽しみにしていた場所と言っても過言ではない。

目当てはこれ、エビの水餃子。

地元民にまぎれ、注文の仕方を探りながら順番を待つ。注文をしたならば、タレを作り席で待つ。甘酢に唐辛子を加えたようなタレと、にんにくのみじん切り。どうやらこれらを混ぜて漬けダレとするのがポピュラーなやり方らしい。

そうこうしているうちにエビの水餃子。ひき肉をベースとして、えびのミンチがごろごろ。そこにネギと人参。ぷりぷりとした食感かつ歯ごたえのある食べ応え。これ、結構衝撃的な美味しさだったな。このタレも家で真似したい。

炸醤麺も頼んでみた。中華麺というよりも、あたたかいうどんのようなコシのある麺。肉、少しの豆腐?、甜麺醤と醤油のような味。甘めで遠くに八角の風味も感じる。

これで食べ納め。MRTで空港へ戻る。降り立った時は緊張感すら覚えた台北の街並み、帰る頃には住み慣れた街を去るような名残惜しい気持ちに。

そのまま特にトラブル等もなく無事に帰国。空港に迎えにきてくれた妻と子と再会し、子供達の話を浴びるように聞きながら帰宅。

初めは不安だった言語の問題も、簡単な英語と指差し注文、それから「謝謝」で意外となんとかなった。急に現地の言葉でで話しかけられると「ぇん?」とか「んぁ?」みたいな言葉にならない言葉を返してしまうが、皆優しいので紙に書いて説明してくれたり、簡単な英語で言い直してくれたり、日本語メニューを持ってきてくれたりする。とはいえ、こちらも現地に寄せていくための努力を次回までの宿題としたいと思う。

 

お土産

カラスミ、桜エビ、唐辛子の酢漬けのようなもの。

全然台湾関係ないが、妻には万年筆のインク×2。

 

それから台北当代芸術館のノートと文具など。

Aにはシールと小籠包のワッペン。

Rにはポケモンのパズル(台湾関係ないが、最も喜ぶと思われるものにした)。

自分への土産。ビカクシダのしおりと、台湾で美味しかったものたちのポストカード。

知らぬ土地で知らぬ言語に囲まれながらもあたふたと対応するという経験ができたことも大変良かったし、全体的にぼんやりしていた台湾料理に対する解像度がかなり上がった気がする。そして一人で行動を重ねる中で、俺って何が好きなんだっけ/嫌いなんだっけと向き合うことができた良い旅であった。再訪を心に誓う。